こぅ

青の恐怖のこぅのレビュー・感想・評価

青の恐怖(1946年製作の映画)
4.4
【バルカン超特急】の脚本家、シドニー・ギリ
アット監督による、極上【院内サスペンス】。

原題は、緑は危険 だが、邦題は青、、。

第二次大戦中、ロンドン郊外の病院で奇妙な事件が起こった。爆撃で負傷して運び込まれた郵便配達夫が急死した。それは他殺で…。

院内が舞台のハラドキあり、愛憎劇あり、コメディ
も盛り込み、ラストはしっかり観客を欺く 贅沢な
【極上ディナー】が頂ける。

OP、勇ましく軽快なテーマ曲。
コントラストがハッキリしている映像。

冒頭からナレーション付き回想式で展開するの
だが、医師2人と看護師4人の中に犯人がいる、と
いう提示から吸引力バツグンで掴まれる。
そして、院内での【愛憎劇】を見せてくれる。
その院内でのワンカット カメラワークが絶品。
そして、急患、、手術中第一の事件が発生。
前科のある麻酔医バーンズ(トレヴァー・
ハワード)が疑われる…。

中盤の容疑者◯長が、あれは、計画的殺人で、犯人
を知っている、と公言する大胆行動シークエンス
にはビックリ。

流石は愛の怒りの八つ当たり。

そして、、第二の殺人事件発生。
この公言直後〜殺人までのシークエンスの
林での陰影(ライティング)とクレーン撮影や、
カメラワークには、 唸った。まるで、ホラー並の
怖さ。
これで容疑者が1人減るが、進むに連れ全員が
怪しい、ミスリードの脚本が上手い。

ここで、ナレーションの主、コックリル警部
(アラステア・シム)の登場。
このタイミングが絶妙で、流れが更に心地良くなる。
彼は、明らかにコミックリリーフ的存在でで、
少しいい加減なのだが、ビシッとキツイ事(皮肉)
はハッキリ言うし、シッカリ決める時は決めるのだ。
まるで【コロンボ】の原型⁈のようなキャラ。


クライマックスは、刑事が、実際のオペで【一芝居】
を打って鮮やかな解決篇。目を見張るが、犯人の
動機が弱すぎる。
それは出来とは別問題で、サスペンスは、こうで
なくちゃ!というお手本の様だ。
(多少の強引さは付きもの。)

ナース リンレイ(サリー・グレイ)が綺麗だった。

ナレーションで予告していた、刑事の【失態オチ】
もある。ハリウッド作品とは異なるイギリスらしい
締めか⁈。事件は解決するが、今ひとつモヤモヤ
したまま去る警部は、まるで、、【◯◯一】。
こぅ

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