ベビーパウダー山崎

民衆の敵のベビーパウダー山崎のレビュー・感想・評価

民衆の敵(1978年製作の映画)
2.5
お上の詭弁に煽られた大衆が真実を訴える個人を攻撃していく。普遍的な社会問題を扱い、マックイーンは個性派俳優のような面構えで正義を貫く孤高の医師を熱演しているが、だからといって「映画」が素晴らしいかどうかは全くの別の話。動きは少なく、舞台劇のように室内で会話して言い争いをしての繰り返し、大衆の怒りや不穏な顔も演説のくだりしか見えてこない、あまりにも正直すぎる退屈な107分。「映画」は正しい説教にも極悪な物語にも平等、薄っぺらな表現は化けの皮が剥がれる。