例の「八つ墓村」の元になった津山30人殺しのお話と聞いて，「市川崑版「八つ墓村」の後に見てみる。
日活ロマンポルノの田中登だけあって雰囲気は日活ロマンポルノ。池波志乃や五月みどりといういろっぺーおばさんがロマンポルノ感を醸している。
舞台は夜這いの風習がまだ残る山村。
結核のために兵役に合格できない軍国青年。それが理由で村八分同様の扱いを受ける。
その辺の描写もわかりやすくありきたり。
やけになって卵を投げるシーンでは昔古尾谷雅人が卵を運ぶトラックから全部壊したロマンポルノを思い出す。確か室田日出男も出ていた。あの映画も田中登だった。
わかりやすすぎるベタな演出。コッテリと絵の具を厚塗りした絵の様な雰囲気。
病気が理由で戦争にいけな人間と行きたくないのに万歳で送り出される人間。
閉鎖された村で村八分にされる青年登場人物の誰にも共感出来ず，絵空事としか見ることができない。
全体的に日活っぽい一本だった。
大庭久美子も田中美佐子もよく出たな。
