みーちゃん

スキャナーズのみーちゃんのレビュー・感想・評価

スキャナーズ(1981年製作の映画)
4.0
デヴィッド・クローネンバーグ監督の作品を観たいと思って観たら、不思議に魅力的な映画だった。

あらすじ自体は要約すると簡潔だし、SFやホラーとしては決して奇抜ではないと思う(あ、公開当時は分からないけど)。とにかく始終何だか調子が狂う。それが自分の中の予定調和が崩れる感じで地味に刺激的だった。と言うことは、私は既成概念にとらわれているのだと気づいた。

そして映像の美しさ、ジェニファー・オニールの端麗さ、はじめは何者でも無かったキャメロン・ベイルが社会的にも個人的にも自己認識を高めていく、という確かな軸があるのが良い。

でも事柄の重大さや深刻さとは裏腹に、全てを覆すような笑える感覚が常にあり、その紙一重さがおもしろかった。