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スキャナーズのtarakoのレビュー・感想・評価

スキャナーズ(1981年製作の映画)
3.8
エンタメ作品でよくある超能力バトルものだが、演出は終始暗く偶にグロく、それに対してストーリー展開がやけに軽妙で嫌な重さを感じない上に、設定の甘さや説明の少なさなどの抜けてる感じが絶妙なバランスでこの世界観を魅力的にしてると思う。
何というか、細かい所が気にならないだけの謎の説得力がある。

スキャンすると相手と一体になって自己を失う可能性があるという設定は相手を想う通りにしようとすればするほど自分を見失っていく現実的な人間関係も反映されてるのかな。スキャン中に自分の顔と相手の顔が重なってフェードしていく演出なんかはそれを示していたと思う。
この話の筋自体も十分面白いのだが、この映画はハリウッドとはまた別の方向で映像でしか表現できない仕方でそれを表現しているのが正しく映画監督の巧妙だと感じた。
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