勝沼悠

扉をたたく人の勝沼悠のレビュー・感想・評価

扉をたたく人(2007年製作の映画)
3.9
 初老の大学教授がふとしたことからシリア人とセネガル人のカップルと一緒に暮らすことに。ジャンベの演奏をきっかけにシリア人と仲良くなるが、ある日彼が不法滞在で捕まってしまい。。。

 9.11以後のアメリカを鋭くえぐる。こういう映画がつくられるところに、アメリカってクソだよなぁという思いとやっぱアメリカっていいなぁという思いが交錯する。
 自分の世界を広がったことによって傍観者として意識できなかったアメリカの闇が見えてくる。自分の世界が広がることは決して幸せになることではない。でも必要なことであるとこの作品は訴えていると思う。そのきっかけとなるのがジャンベという小道具なところがまたいい。
 「Vistor」という原題は家への訪問者と国への訪問者をかけているが、「扉をたたく人」という邦題もなかなかだと思う。
勝沼悠

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