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トスカーナの贋作のよのレビュー・感想・評価

トスカーナの贋作(2010年製作の映画)
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車に乗った2人がなんてことない雑談を交わしながら、車窓から見える風景を垂れ流し続けるシークエンスで急に映画がキアロスタミ然とし始めるのがすごい。後半の会話劇はベルイマン的な緊張が走るも、どこまでが演技でどこからが素なのか判断のできない曖昧さが最後まで保たれているのが不思議な浮遊感を産んでいた。この2人って夫婦だったっけ?→いや、やっぱり違うよな→あれ…?の繰り返し。
こういう感覚はキアロスタミがドキュメンタリーと劇映画の両方を手がける過程で身につけたものだと思うんだけど、最近の作家で言えば濱口竜介にも似たようなところがある。返却日までにもう1回見る。
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