元アメフト選手のクルー(バート・レイノルズ)は、警官に暴力をふるった罪で刑務所に収監される。そこの刑務所長であるヘイズンは看守達で構成されたアメフトチームの育成に熱を上げており、クルーは練習相手として囚人達の寄せ集めチームを作るよう命じられる……というお話。
アメフトを題材にしたスポーツ映画だが、運動の爽やかさというよりは荒っぽい無骨な戦いの映画という印象で、素人に近い囚人チームは反則スレスレの作戦で立ち向かい、看守チームもそれに対抗してどんどんグレーな戦い方をするようになる。そこにはフェアさのカケラもないが、なりふり構わないヤケクソ感が観ていて楽しかった。この泥臭さがアルドリッチ監督ならではという感じ。試合の場面でここぞとばかりに使われるスプリットスクリーンの演出もアツい。
体毛モジャモジャのバート・レイノルズはこの荒くれ映画にぴったりの雰囲気でまさにハマり役。70年代映画らしい無骨さがたまらない一作だった。
(2020.5)