落ちこぼれた元プロフットボーラーが囚人チームを立ち上げ、相手は看守チームという不利な条件を持った試合に臨んでいく。
チームの仲間集めやトレーニングによって、かつてのスター選手としての誇りを取り戻していくプロセスに熱くさせられる。
試合の中では八百長の提案により、クルーは自らの過去とも向き合う事になる。その葛藤に打ち克つ様子を見て感じとれるのは物語の王道であり、試合を通して囚人と看守の間に築かれたある種の信頼を感じられるラストはたいへんに胸が空く思い。
序盤のカーチェイスをはじめ構成上は力を入れる必要のない箇所にも異様なこだわりがあるなど、少し歪な仕上がりが愛おしい。けしてどのシーンも書き割りには終わらず、アルドリッチの映画愛の片鱗が伺える。
暴力性も少なからず描かれてはいるが、そこには社会的圧力に屈しない自由意志が伴っているように思いました。エンターテイメント性に溢れた熱血スポーツ作品。