ボブおじさん

ロンゲスト・ヤードのボブおじさんのレビュー・感想・評価

ロンゲスト・ヤード(1974年製作の映画)
4.0
スポーツを題材にした映画は、今では毎年数多く作られる人気ジャンルだ。だが、かつては〝スポーツ映画は当たらない〟と言われていた時代があった。

決定的なターニングポイントとなったのは、1977年に日本公開された「ロッキー」だろうが、その2年前に公開されたこの映画もアメリカと日本で大ヒットした。

八百長問題で引退することになったアメリカンフットボールの花形選手ポール・クルーは、車を強奪した罪で刑務所へ送られる。刑務所では、看守で作るアメフトチームの育成に執念を燃やす所長と戦いを繰り広げることに…。

社会からドロップアウトして犯罪者へと落ちぶれた負け犬たちが、アメリカンフットボールに全力投球することで生きる目的を見出していく。

勝ち目のない試合を戦い抜くことで自分たちを虐げる権力にか対して反逆を試みるストーリーは、反骨精神溢れるアルドリッチ監督らしい。

主人公ポール役にはフロリダ州立大学時代にアメフトの花形選手だった〝動く男性ホルモン〟バート・レイノルズ。ジョン・ブアマンの「脱出」(’72)でブレイクし、この映画の大成功でハリウッドでの人気を不動のものにする。

ポールが看守チームを倒すために、荒くれ者が揃う刑務所内で、選手を集めていくシーンはワクワクする。痛快かつ爽快な、わかりやすいストーリーで、たとえアメフトに興味がなくとも最後はスカッとすること間違いなし😊

スポーツ映画は、これくらいベタな展開が丁度いい。金も地位も名誉も全て失った、かつての花形クォーター・バックが誇りをかけて最後の勝負に挑む。残り7秒、果たして奇跡は起きるのか⁈



〈余談ですが〉
◆囚人の1人がポールに言う台詞が気が利いている〝所長や看守がいくら俺たちを脅しても、2つだけ奪えないものがある。いいか、ボールズだけは渡すんじゃねーぞ!〟ここで言うボールとは文字通りのアメフトの🏈と男の玉=〝プライド・心意気〟のこと。なかなか愉快な台詞である😅

◆バート・レイノルズは、スティーブ・マックイーンとシルヴェスタ・スタローンの間の時代の人気アクション俳優で、確かマネーランキングでハリウッドのトップに輝いた時もあったと記憶している。
だが、これといった代表作がなく、「トランザム7000」や「キャノンボール」なども劇場で観たが、この映画が1番記憶に残る。
男くさいタフガイで、いかにもアメリカ人が好みそうなスターだったが、残念ながらマックイーンやスタローンの様なインパクトを映画史に残す事は出来なかった😢

〈更に余談ですが〉
外国人の名前を書くとき時々迷うのがバビブベボかヴァヴィヴゥヴェヴォか問題である😅
昔はシルベスタやスティーブだったのが、いつの間にかシルヴェスタやスティーヴになっていたりしてややこしい。
〝あれ?どっちだっけ?〟と迷う人も多いのでは?
まぁ、個人的には外国語を日本語表記する時点で正確な発音は難しいので、シルベスタでもシルヴェスタでも伝わればどちらでもいいかなと思っている。
何せ、あの「スピード」の監督ヤン・デボンは、もっと昔の撮影監督時代にはジャン・ドボンと表記されていたのだから😅