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ロンゲスト・ヤードの346のレビュー・感想・評価

ロンゲスト・ヤード(1974年製作の映画)
2.7
前から密かに思ってたけど、あんまりアルドリッチ好きじゃないかも。

なんか、大味なんだよね。
それが彼の良さであるのはわかるんだけと、なんか、キャラクターの細かい感情がなくて、雑なイメージ。

最初から展開についていけない。所長と、看守長の思惑がみえない。
所長の目的は、この刑務所のアメフトチームを強くすることでしょ?だからこそ、クルーをこの刑務所に呼んだわけで。それなのに、どこをどう間違ったら敵の囚人チームのコーチに指名する展開になるの?
その4週間で普通に自チームのコーチさせればいいやん。クルーもろとも潰すのが理由?それなら選手時代が大嫌いだった理由があったらいいのに。だとしてもアバウトすぎるけど。

看守長は、自分の手柄として優勝したいからクルーにチームに入ってほしくなかったのはわかるよ。でも、だからといって、彼をいじめる理由はさっぱりないんだよね。とりあえず、嫌な奴として描く必要があったから描いただけみたいな。

あと、ここだけはどうしても受け入れられなかったのは、あの終盤のクルーの選択。いや、所詮は刑務所に入るような落伍者だから、ああいう迷いがあってもいいのかもしれないけど、チームメイトの気持ちからしたら、もう許せなさすぎるよ。仲間のためだというのが理由だとしても、仲間のためにならないことは明白すぎるし…。そりゃ展開的にはそっちのほうがおいしいのはわかるけど、俺がチームメイトなら、やっぱしこりが残るよ。

なんだろ。走れメロスのメロスは一人だからクヨクヨしていいし、迷っていいのよ。だけど、クルーには仲間がいんだから、迷ったりクヨクヨしたら、仲間たちに迷惑がかかるわけで。
だからチームメイトと、もっとちゃんとした問題を解決する物語があれば許せたんだけど。それが何もなく主人公の中で解決して終わりだから、チームメイトの感情にたつと消化不良すぎて。

なんか、ふと思ったのは「メジャーリーグ」ってスポーツ映画としてすごいレベルだったなー。と思いました。アルドリッチと比べたら怒られるのかもしれないけど。キャラクターの立て方。明確な敵の作り方。挫折と成長の描き方。本当にみやすくて、ドキドキできて、感動したなぁ。もちろんロンゲストヤードを観て育った世代がメジャーリーグをつくってるわけだから、何を観て育ったのかという環境もこういう評価において大きいよなーと思いました。
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