登場人物が多いせいか、あれ？この人こんな性格だったっけ？とか、こいつなんのためにこんなことしてるの？とか、え？人間関係変化してたんだ！とか、ん？今何が起こったワケ？とか、ここカメラ寄ってくれないんだ…とか、ちょこちょこ言葉足らずではあるものの、そういう素っ気なさも含めてアメリカン・ニューシネマ。わかりやすくて盛り上げてくれてド迫力という、今や自分の身体にこびりついてしまった現在の映画鑑賞リテラシーの垢を、一度削ぎ落とさにゃならんなと痛感。逆に言えば、アンチ・アメリカン・ニューシネマ垢を、あっというまに我々の身体に堆積させてしまった「ロッキー」は、ある意味凄い作品なのかもしれない。
