垂直落下式サミング

ロンゲスト・ヤードの垂直落下式サミングのレビュー・感想・評価

ロンゲスト・ヤード(1974年製作の映画)
4.5
ロバート・アルドリッチ監督による即席の囚人チームがセミプロの看守チームにフットボールの試合を挑むスポーツ映画。
かつて花形プロフットボール選手だった囚人を胸毛ボーボーのバート・レイノルズが演じている。しかし、この男、序盤でヒモの癖に女に手を上げ、車を盗み、警官に罵声を浴びせ公務執行妨害…と、最低のクズ人間だ。そこに感情移入の余地はない。ヒモならヒモらしく女大事にしろ馬鹿野郎!
この作品に美しさがあるとするなら、試合のあと看守長との間に生まれる男の絆だろう。本気でぶつかり合うことで、互いに認め合った囚人と看守。スポーツとは言語を用いない肉体を介した至上のコミュニケーションなのである。