福福吉吉

感染の福福吉吉のレビュー・感想・評価

感染(2004年製作の映画)
4.0
◆あらすじ◆
経営難で満足な治療の出来ない病院で、入院患者の容体が急変した際、医療ミスでその患者を死なせてしまう。立ち会った医師たちは事実の隠蔽を図る中、救急で見たこともない異様な症状の患者が運ばれてくる。感染症が疑われる中、その症状に医師たちはなすすべもなく...。

◆感想◆
全てが危機的な状況の病院を舞台に、精神的に追い詰められた医療スタッフに不気味な症状の患者が運ばれてきてパニックに陥る姿を描いた作品であり、その患者に関わったスタッフから緑の液体が流出してくる姿は「エクソシスト」を彷彿とさせるものがありました。

人員不足、経験不足、医療器具不足、金銭の不足など本作の病院の危機的状況は凄まじいものがあり、いつ医療事故が起こってもおかしくないと感じさせるものがありました。
そして、発生する医療事故、事故の隠蔽、未知の症状の患者と全てが悪い方に転がっていくストーリーはその先の破滅を感じさせるもそれを観たいと思う興味にそそられました。

ホラー作品として、恐怖演出がふんだんに盛り込まれており、何かおかしい患者の行動や虚実不明の影、スタッフが陥る幻覚と妄想などを上手く見せているように思いました。

主人公の医師・秋葉(佐藤浩市)を中心に話が進んでいきますが、医師・魚住(高嶋政伸)や看護師・塩崎(南果歩)などの他の登場人物の描写も細かく描かれており、それぞれで精神的に果てていく姿が印象的で楽しめました。

かなり面白い作品でした。俳優陣の演技の上手さとストーリーから生まれる緊張の連続がとても良かったと思います。

鑑賞日:2023年9月30日
鑑賞方法:DVD
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