福福吉吉

ザ・シークレット・サービスの福福吉吉のレビュー・感想・評価

3.5
◆あらすじ◆
シークレット・サービスのフランク・ホリガン捜査官はかつてケネディ大統領の暗殺を防げなかったことに罪悪感を持ったまま、現在まで職務についていた。ある日、フランクは大統領暗殺を謀る犯人の住居と思われる場所の通報があり、その場所へ出向くが誰も居なかった。その日の夜、その住居の主であるブースと名乗る男からフランクあてに電話があり、大統領暗殺の予告をされる。フランクは高齢で苦しい中、大統領警護の任務に励むが、ブースから度々、フランクに対して挑発の電話があり、フランクは心身とも消耗していく。

◆感想◆
かつて大統領を守り切れなかったシークレット・サービスの男が大統領暗殺を予告する犯人から今度こそ守り切るために奮戦する姿を描いており、主人公と犯人の間で繰り広げられる危険な攻防戦が緊迫感に満ちていて良かったです。

主人公のフランク(クリント・イーストウッド)は過去の失敗で大きな挫折感を味わっており、大統領の命を守ることに対して過敏になっています。かなり荒っぽい感じで仕事一筋な性格かと思いきや、若い女性捜査官のリリー(レネ・ルッソ)を口説くなど遊びの部分もあって人間臭さを感じました。高齢ながら大統領の車について走る姿は苦しそうでしたが、敬語に対する彼の覚悟を感じさせるものでした。

一方、大統領暗殺を予告するブースという男(ジョン・マルコヴィッチ)は大胆不敵で、常に相手の上を行く思考と超人的な運動能力の持ち主であり、敵ながら観ていて興味を惹かれる人物でした。彼の正体が途中で明らかになるのですが、そこに彼の人生の切なさもあって深みのあるキャラクターとなっていて面白かったです。

ストーリー展開として、とにかく犯人側が常に警護側の上を行く感じで進むので、フランクに感情移入しているとムカムカする気持ちが継続していきます。また、荒っぽいフランクの警護は目立ってしまって、大統領側からフランクを排除するよう言われる展開が続くのもフラストレーションが溜まりました。

終盤は予想通りのものでしたが、この結末のためにフラストレーションを溜めていたこともあって、良い終わり方だったと思います。

かなりフラストレーションの溜まる展開で万人向けでは無いですが、なかなか面白かったと思います。

鑑賞日:2024年3月26日
鑑賞方法:CS ザ・シネマ
(録画日:2023年5月18日)
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