俳優タンピンと財閥令嬢は愛し合っていたが、令嬢の父親と勝手に決められた彼女の結婚相手の陰謀により、劇場を燃やされる。
この火事により死んだと思われていたタンピンだったが、大ヤケドを負いながらも実は生きていて…。
中華版『オペラ座の怪人』。
お金かける監督=ロニー・ユー氏だけあってセットが凄く豪華で、映像の色彩がごっつ綺麗で、その辺は見応えあります。
劇場が焼け落ちた現代をセピアカラー、劇場が栄華を放っていた10年前をフルカラーで表現しているのはすごく効果的でした。
1930年代の北京を舞台に『オペラ座の怪人』をベースにした悲恋とのことですが、『オペラ座』と違うのは、主演2人の恋が一方通行なのではなく、お互いにまた逢えると信じ想っているというところでしょうか。
『ロミオとジュリエット』も意識した作品ですが、レスリーによって、独特の世界に仕上がっています。
愛し合う2人を引き裂くもの。
それによって、多くの物を失い、生きる希望さえ失おうとして、只、心にあるのは、お互いの希望に満ちた日々の記憶。
20世紀初頭の中国の劇団の座長と良家のお嬢様が、最後に行き着くところは・・・
劇中でレスリー・チャンが歌った歌が頭に染みついている。
結構残酷なシーンもあるが、ある意味ファンタジーといえる映画。
それほど話題にならなかった作品だが、ドラマの盛り上げ方もうまく、見事にノセられてしまった。
隠れた秀作といえよう。