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大アマゾンの半魚人のEikeのレビュー・感想・評価

大アマゾンの半魚人(1954年製作の映画)
3.5
ドラキュラ、狼男、フランケンシュタインからミイラ男までリメイクも行くとこまでいったよな、と思っていたら、ありました。
まだリメイクされていないものが。「大アマゾンの半魚人」すばらしいセンスの邦題ですね。原題は「黒い環礁から来た怪物」ですがやっぱり”ギル・マン”(えら人間)よりは「半魚人」でしょう。

なんとなくキワモノめいたモンスター映画と思っていたのですが改めて鑑賞してみると思いの他、完成度が高くまさに「古典」と呼ぶに相応しい出来です。
ストーリーはいかにも古めかしいもので特に驚かされるような点はありません。しかしこの映画が単なるゲテモノホラーで終わっていないのは何といっても独特のムードに満ちている点にあります。
その最大の特徴は水中撮影の見事さにあります。作られた時代と技術を考えると驚くほど洗練された出来であります。さぞかし大変だったのではないかと思われます。
実際の撮影はフロリダ州の州立公園の水が湧く「池」で撮影されたそうですが水の透明度が高いお陰で実にクリアな映像になっている。

ユニバーサルスタジオと言えば元々モンスター映画が十八番だった訳ですがドラキュラ、狼男、フランケンシュタインの怪物に次ぐ「スター」としてオリジナルで創作したのがこの「半魚人」だったそうで。
今ならCGで遥かに洗練されたクリーチャーをスクリーンに蘇らせることは容易でしょうがそれはオリジナルへの冒涜にしかならないような気がします。やめとけ、と言いたい。
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