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大アマゾンの半魚人のhorahukiのレビュー・感想・評価

大アマゾンの半魚人(1954年製作の映画)
3.9
ついに『シェイプ・オブ・ウォーター』が今週から公開ですね!
というわけで、シェイプ〜の元ネタでユニバーサルモンスターの一角ギルマンが登場する本作を!ちなみに『ジョーズ』にも多大なる影響を与えたと言われてるようです。

あらすじ…
アマゾンの奥地で発掘調査をしていた地質学の博士たち。発掘中に、水掻きがついた手の化石を発見する。水生生物の研究者三名を引き連れて再度調査を開始。手がかりを探すために、アマゾンの深部ブラックラグーンへとやって来たが…。

想像以上に面白かったです!
同じ半魚人映画の『呪いの深海獣』とは雲泥の差(笑)半魚人ギルマンは着ぐるみなんですけどクオリティが凄く高い。表情はちょっとアレですが、スリムなボディスーツのような綺麗なフォルムだし、水中を泳ぐシーンもしなやかでそれっぽさがある。呼吸時にエラのようなものがしっかり動くギミックも凄い。

ちなみにこのスーツはオスカー像をモデルに製作されたらしいです。オスカー像がモデルの半魚人ギルマンから着想を得た『シェイプ・オブ・ウォーター』が約60年の時を経てオスカー候補になるというのはなんとも運命的なものを感じますね。まあ、私は『ゲット・アウト』推しですが(笑)

本作は、化物に襲われるような良くあるモンスターホラーではなくて、ヒロインに恋したギルマンの切ないロマンス要素が加わってます。ここら辺は、未見ですけど『キングコング』から影響を受けてるように思います。

外見に囚われない愛情とかを描いているわけではないですが、オクテながらも何とかヒロインとお近づきになりたいギルマンとそれを邪魔する人間たち。そんな感じで途中からギルマンを応援してしまうんですよね(笑)

そもそもギルマンは何にも悪くないんですよ。知的好奇心だったり、功名心やお金だったりに目がくらんだ人間が、ひっそりと暮らしていた半魚人を追い詰めた(危険を感じさせた)結果の惨劇。ギルマンにとって人間は侵略者なんですよね。行き過ぎた発展への警鐘という側面も持ち合わせた作品のように思いました。

水中での遊泳シーンも見どころで、その自然な動きは圧巻。陸と水中では別役者がギルマンを演じているようです。余計な水泡を出さずに、クソ重たくて動きにくいはずのスーツを着つつ、水中で演技するという役者の本気が伝わってきます。画的にもハッとするような綺麗なシーンが多くて、楽しめました♫
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