ミサホ

ウィズ・ユーのミサホのレビュー・感想・評価

ウィズ・ユー(1997年製作の映画)
3.5
昔観た作品だけれど、再鑑賞したので、空だったレビューを埋めます。

撮影当時、10歳だったエヴァン・レイチェル・ウッドの美少女っぷりが見られる。そして、ケヴィン・ベーコンが知的障がい者という難役に挑戦している。

空想の世界に浸る少女ハリエット(エヴァン)とリッキー(ケヴィン)の短い期間ながらも微笑ましい友情物語。

ハリエット自身、姉だと思って接していた人物が実は母だったことを除いて、意外性はなく、予定調和の中で進んでいくが、なんとなく飽きずに観られる。

リッキーとハリエットの別れのシーンで、「大人になった君は僕を嫌う」という台詞があるが、ハリエットがそうなるということではなくて、リッキー自身が“世間は一般的にそうだ”ということを敏感に感じ取っているようで切なさを覚える。

男にだらしないハリエットの母を演じていたのが、メアリー・スチュアート・マスターソンだ。偏見に満ちた毒母とも言える人物だ。

怒りっぽく落ち着きのない、自己中心的な軽薄さを表現したメアリーの演技は、観る者にちょっとした不快感を与え、それがハリエットとリッキーに感情移入させる効果に繋がっている。

可もなく不可もなくといった作品ではあるが、つまらない作品でもない。ただ、現代においては捻りのない、フラットなコースを坦々とペースの上げ下げもなく走り通したといったような作品だろう。
ミサホ

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