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藤十郎の恋のricoのレビュー・感想・評価

藤十郎の恋(1938年製作の映画)
3.8
菊池寛が原作。こんな邦画で珍しく2回ほど印象的なモンタージュがある。
後半のモンタージュと、太鼓や拍子木で畳み掛ける表現は新鮮。
でもそんな事よりも、舞台前の顔合わせの時の挨拶、舞台が始まる前のお囃子、吊るされた着物に囲まれた御室の桜、夜の障子にうつる水面の影など、さり気ない所に情緒を感じる。最近の邦画になくなってしまったのは情緒ではないのかと思ったりする。
ラストの桜と春の雪、道を埋める傘のシーンは美しく、是非「傘映画」に認定していただきたい。

長谷川一夫の東宝移籍と改名後第1作目らしい。長谷川一夫はワレアゴだった。高峰秀子見つけられず。
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