まごー

ゴールド・ディガースのまごーのレビュー・感想・評価

ゴールド・ディガース(1933年製作の映画)
3.8
ヘイズコードがまだ効力なかった頃とはいえ全体的にお色気がすごい。
ワーナーのドル箱ミュージカル映画シリーズってイメージだけど、
一応原作の舞台もあるらしい。

OPのWe're in the Moneyから奇抜な衣装でバークリー節炸裂してる。

でもこの映画はなんといってもPettin' in the Parkでしょ。
ひたすら楽しい。ちょうどいいお色気具合。
女缶詰、世にも奇妙な物語かよ。
シーンアイデアがリッチでもはやおもちゃ箱。

The Shadow Waltz。
幻想的な光るバイオリン、今まで見てきた白黒映画のなかでもトップクラスでイケてるな。
バークリーショットとも音楽とも相性がいい。
衣装もすごく音楽とセットにあっててシンプルにセンスが良い。
バークリーの良さが出てるな。
構図も良いし。

Remember My Forgotten Man
ちょっと「夢のバレエ」っぽいシーン一瞬入ってて先駆的だ。
30年代初頭にしてちょっとフィルムノワールなセンス。
Wikipediaに「ドイツ表現主義の影響が見受けられる」って書いてあるけど、キアロスクーロばちばちだし、
普通にやってることフィルム・ノワールなんよ。
先駆的だな。

からの唐突な軍隊。
これはもう『いだてん』の学徒出陣なんよ
ひもじい配給制に血だらけの兵隊。
40年代のミュージカル映画と比べると普通にめちゃくちゃ厭戦的な描写。
「私たちは見捨てられた」って軍隊が歌うのは30年代特有かもしれない。
(いやでもそのあたり含めてもフィルムノワールなんよ)

ストーリーは、
大恐慌でお金がなくてレヴューができなくて困ってるショーガールと劇作家。そこに現れたイケメン天才作曲家がなんとお金を工面してくれる。
いったい彼はなにものなんでしょうか。
と言う話。
退屈しない程度には筋はあるにはあるし、頭を使わなくていい程度には空っぽなのですごく良い。
まごー

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