コギ

パンドラの匣のコギのレビュー・感想・評価

パンドラの匣(2009年製作の映画)
3.2
全体的な雰囲気が「明るい太宰作品」にあってた。
原作の言葉の美しさや太宰のシュールギャグも大切にしてくれてて原作好きとしては嬉しかった。


以下は原作で好きなマァ坊の描写。

小さく首肯いて、顔を挙げた。その顔が、よかった。断然、よかった。完全の無表情で鼻の両側に疲れたような幽かな細い皺が出来ていて、受け口が少しあいて、大きい眼は冷く深く澄んで、こころもち蒼ざめた顔には、すごい位の気品があった。この気品は、何もかも綺麗にあきらめて捨てた人に特有のものである。
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