たか

パンドラの匣のたかのレビュー・感想・評価

パンドラの匣(2009年製作の映画)
3.0
 「やっとるか」「やっとるよ」
 「がんばれよ」「よーしきた」
 健康道場(結核療養所)で使われているこの言葉、あだ名で呼び合う文化、とても心地よく感じました。そして、やまやまよ~♪やまやまよ~♪の「オルレアンの少女」は最高ですね!ハマりました。
 患者と看護婦の距離が驚くほど近いですね!
 布団部屋で...と言う発想も、古臭くていい感じです。
 この作品の神髄は?
 「新しい男」を目指す“ひばり”でしたが、どんな男が新しいのかを模索しながらだったので、目標がはっきりしていなかったんだと思います。
 恋に対しても素直になれず、看護婦の“竹さん”を“つくし”に取られてしまいます。恋愛に関しては“つくし”こそが「新しい男」と言えますね。
 きっと恋愛は、素直な気持ちで、積極的な姿勢を保ちつつ、決定打は最適なタイミングを逃さずに!だと思います。
 ただ“ひばり”から後悔の念を感じ取れない所、“竹さん”が幸せそうに見えない所など、この作品にはもっと隠された何かがあるのかもしれません。
 看護婦の“マア坊”や、他の結核患者たち、みんないい味出していました。恋愛という観点で観ていると、彼らが結核患者と言うことを忘れてしまいます。
 きっと観る人によって、だいぶ感じ方が違う作品なのではないでしょうか。
たか

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