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三池監獄 兇悪犯のodyssのレビュー・感想・評価

三池監獄 兇悪犯(1973年製作の映画)
2.5
【鶴田浩二の使い方にもう一工夫ほしい】

明治三十年代の九州・三池炭鉱が舞台。
当時、重罪で刑務所に入れられている囚人たちが炭鉱で、それもしばしば危険な場所で石炭を掘るためにこき使われていました。本作品はそういう背景をもとにしています。

こき使われる囚人たちの中でまとめ役をやっているのが宍戸錠。しかしそこに、北海道の監獄から悪名高い凶悪犯が移ってきます。この役が鶴田浩二。

物語はしばらく前から使われている囚人たちと新参者との対立、そして囚人たちを監視している警察の悪辣な体質を軸に展開します。

炭鉱内の危険な重労働の描写はなかなかですが、鶴田浩二が途中で登場して何かやりそうなのに、結局は警察の監視もあって案外活躍しないのが、この映画の欠点ではないでしょうか。最後では暴れるのですが、どうも見ていて不完全燃焼のような気がしました。

この点で、脚本にもう一工夫が欲しかった。残念。
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