せーや

ブロウのせーやのレビュー・感想・評価

ブロウ(2001年製作の映画)
3.8
麻薬王にも、人生があった。
麻薬王にも、家族がいた。

ジョージ・ユング。
1970年代、アメリカに最も麻薬を密輸した男。
彼の人生は、波乱に満ち溢れていた。

ジョニーの犯罪王シリーズ。
その第一弾ともいえるべき作品が、これ。
1970年代から80年代にかけて
アメリカで使用されるコカインの大半を密輸した男
ジョージ・ユングという男の半生を描いた作品。

金の無い家庭に育ち
両親の不和を目にしながら育った彼は
あんな家庭にしたくはない、と
マサチューセッツの片田舎から
流行の最先端、カリフォルニアへ。

そこで見たのは
当たり前のようにマリファナを吸う人たち。
大きな衝撃と共に、彼は売人の道を選ぶ。

間違いなく天性の才能に恵まれていた。
水のように湧いて出てくる大金に熱狂し
生涯の伴侶になるべき女性を見つけ
人生は最高潮に達していた。

ジョージ・ユングは普通の男だった。
ただ、麻薬を売りさばいていただけだった。
当時からすれば、全く当たり前のことだった。

結局、麻薬は全てを狂わせるのか。
しかし彼は麻薬に溺れてはいなかった。

彼は麻薬から逃れようとした。
犯罪から足を洗おうとした。
両親が築けなかった、温かい家庭が欲しかった。

幸せになろうとしたのに
麻薬はどこまでもついてくる。
麻薬の恐ろしさ。
売人すら、人生を破滅させる。

ジョニーは服役中のユングに何度も面会し
徹底した役作りをした。
ユングは彼の演技を見て驚いたという。

ジョニーの演技は素晴らしかった。
コスプレだけじゃないんだよ!
これが、ジョニー・デップなんだよ!
みんな気付いてくれ!(悲痛)
せーや

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