三四郎

元気で行かうよの三四郎のレビュー・感想・評価

元気で行かうよ(1941年製作の映画)
4.7
素晴らしい!大好きなんだよなぁ、こうゆう明快明朗闊達映画!松竹大船が誇る超豪華オールスターキャストを配しかつおもしろすぎる傑作だ!適材適所の配役といい、全体の流れといい、会話のテンポ、構図、全てがお美事!
上原謙と高峰三枝子による夜桜のラブシーンは、そこだけロマンチックな大メロドラマ演出となっている笑 野村浩将監督と言えば、日本映画史上に燦然と輝く傑作メロドラマ『愛染かつら』の監督だ。コメディタッチで、かつロマンチックな雰囲気を演出できるこの監督は、なかなかどうして巨匠である。

この頃の高峰三枝子は明眸皓歯、風姿楚々たる美女、花も恥じらう麗人なり。眉目秀麗、水も滴るいい男である上原謙との夜桜デートシーンは、二人のファンのための大サービスであろう。
このシーンだけ取ってつけたように甘美な大甘なラブロマンスになっているのだから笑

さて、この映画、どの登場人物の掛け合いも楽しませてくれる。特に佐野周二と上原謙の性格描写、掛け合い、これが実に良い。
興味深いのは、下の名前が皆本人の名前となっているということだ。彼らそのものの性格、素を描写しているのかなぁ?

しかし、惜しいかな、この作品は完全版ではなく欠落している箇所がある。
冒頭のクレジットに「元気で行かうよ」と「嫁ぐ日まで」が挿入歌として書かれているが、その歌のシーンは映画中に全く登場しない。どんなかんじで挿入されていたのかなぁ?非常に気になる!「元気で行かうよ」なんて昭和チックなメロディで、作詞は西條八十、いい歌だから映画の中で聞きたかったなぁ!歌詞の最後は軍歌調だが…。

それにしても素敵な映画だった!
これぞ松竹大船調!
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