浅野公喜

ネクロノミカンの浅野公喜のレビュー・感想・評価

ネクロノミカン(1993年製作の映画)
3.7
日本人スタッフも参加したラブクラフト原作の3話構成のオムニバスホラー。ややコミカルな作風からは「クリープショー」や同時期放送の「ハリウッド・ナイトメア」にも似ているかもしれません。

「サイレントヒル」も手掛けたクリストフ・ガンズ監督の妻子の蘇生を試みる第一話は一番シンプル且つレトロな雰囲気が出ており終盤は「ザ・グリード」みたいなクリーチャーが登場。

平成「ガメラ」シリーズで有名な金子修介監督(!)の「オーメン」で首が飛んだデヴィッド・ワーナー演じる低体温を維持することで長生きしている博士が登場する第二話は切なくも笑える内容で「ポルターガイスト」の顔剥ぎを更に過激にしたような特殊メイクにも注目。脚本には伊藤和典氏も参加してます。

「死霊のしたたり」シリーズで有名なブライアン・ユズナ監督の妊婦の警官が事故を起こし裏路地のビルに迷い込む第3話は遺跡のようなビルの地下を辿る展開がアドベンチャー風でもあり、ユズナ監督が製作担当の「フロム・ビヨンド」的変態趣味炸裂のクリーチャー盛りだくさんで一番内容は濃いものの度が過ぎてる印象。冒頭のカーチェイスシーンでは「ターミネーター」や「ヒドゥン」等でも使われたLAのLower Grand Aveらしき場所が登場しています。

ストーリーテラー的役割のジェフリー・コムズ演じるラブクラフトの図書館での寸劇含めどの話もトム・サヴィーニ参加も頷ける程特殊メイクにも力が入っておりホラー好きなら楽しめる内容になってます。
浅野公喜

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