くるみ

スター・ウォーズ/ジェダイの帰還 特別篇のくるみのネタバレレビュー・内容・結末

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このレビューはネタバレを含みます

『スター・ウォーズ』マラソン三作目。旧三部作を二日で見るのは非常にたいへん豪華なんですが、いかんせん駆け込みマラソンなので、銀河帝国よりも眠さとの戦いでした。

とにかくルークの登場シーンが素晴らしかった。五億点です!!!フォースをひょいひょいと操るは、ジャバの前で「ジェダイ・ナイト」と名乗るは、髪型も落ち着きのある七三になっていて、あああご立派にお育ち遊ばされたのね……うれしい!!!エピソード4で「登場が主人公っぽくない」と書いたのが嘘のようです。また黒い服なのが、ジェダイになるのか闇堕ちするのかのハラハラを観客にもたらしていて…うん、でもこの方、黒い服似合うよね。後半、ダース・ベイダーと並んで歩いているときなんか完全に父息子でした。

マーク・ハミルの佇まいが、ルークのキャラに本当にぴったりなんですよね。特徴は少ないのに、幼さと強かさと無謀さが同居してる顔立ちが良い。気品がただよっていて、何をやっても野卑にならない。
ルークは他のシーンでも落ち着きを醸し出していて、ヨーダとのやり取りや妹レイアに打ち明けるところで、ああー大人になったんだなあと感慨にふけっておりました。二人の血縁ってジェダイ以外に知られてなかったのか。

ルークからしたら、いまや唯一の血縁者があかん父親で、自分も同じように闇堕ちするかもと師匠たちに危ぶまれているところでレイアの存在を知り、それはただ妹がいるというだけでなく、レイアの強さがルークを導いて、善の側に残れるというよすがをもたらしたと思うんですよ。師匠たちに「父親は殺せない」と宣言するところ、最後にライトセーバーを手放すところが本当に良かったです。
ルークとアナキンの他の類似点は、今後の新三部作で注目していくつもりですが、アナキンにもレイアのような存在がいたら良かったのに…とこの時点で感じてしまう。というか、寄る辺ないアナキンの心のゆらぎを固めたのがシスの暗黒卿だったんで、構図の妙に頭を抱えるしかありません。

構図といえば、父息子描写も同じです。オビ=ワンとアナキンは父息子関係で見ても良いわけなので、エピソード3で父オビ=ワンにジェダイとしての自分を殺されたアナキンが暗黒卿によってよみがえる。その後、エピソード4でジェダイとしての父オビ=ワンを殺し、エピソード6の最後に息子ルークによってダース・ベイダーとしての自分を殺されてジェダイとして生き返り、ダース・ベイダーとしての父親、暗黒卿を殺すという流れなので、父と息子の生死が螺旋状になっている。
それと、ルークは叔父、オビ=ワン、ヨーダ、アナキンと四人も父親的存在を亡くしていて、本当にかわいそうです。

ダース・ベイダーがルークに語った皇帝への反乱ですが、もしダース・ベイダーが皇帝に成り代わることではなく、帝国による支配自体をやめることを目論んでいたら、二人は父息子として生きていけたのかもしれない。

そうそう、エピソード4の感想で書いてた、オビ=ワンやヨーダの遺体がない問題ですが、遺体がないのは彼らが霊体(フォース?)となって宇宙に居続けることだから、アナキンの遺体があるのは彼がダース・ベイダーとして亡くなったからじゃないかなと解釈しました。ダース・ベイダーはやはり殺しすぎた。だからこそ、ジェダイ・ナイト時代のアナキンが最後に霊体として出てくるラストが際出ちます。

あと三日で新三部作の復習鑑賞を終わらせないといけません。頑張ろう。
2015/12/15
くるみ

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