YohTabata田幡庸

地獄門のYohTabata田幡庸のレビュー・感想・評価

地獄門(1953年製作の映画)
4.1
セットと衣装が超豪華。東映初のカラー映画なので、その気合による色の鮮やかさが目に楽しい。カメラワークも、馬の動きに合わせてカメラを動かす、手元を写す等、今では普通にやる、しかし昔の映画だと余り観ない事をやっていたのが印象的。
野良犬蹴るくだりで笑っちゃった。
劇版の洋楽器と和楽器のバランスが素敵。

映画としては最高に良いのだが、スコセッシに勝るとも劣らない「どう思えと?」映画。先ず主人公の盛遠に全く感情移入出来ない。袈裟とワタナベワタルが兎に角可哀想。そしてワタナベワタルが一番感情移入出来るし、彼が一番正しい。

盛遠もワタルも死ななかったのが、今風だし、そこに救いがあった。極めて現代的な着地。「相棒」シリーズの杉下右京が自殺しようとする犯人に「生きてその罪を償って下さい」と言う台詞を思い出した。

清盛がキャラとしては最高。
YohTabata田幡庸

YohTabata田幡庸