地獄門のdeadcalmのレビュー・感想・評価

和田三造が担当した色彩設計の妙。いやたしかにいちいち配色がバチバチにキマっていて、カットの1つ1つが芸術的。人物の服の色や小物の色まで、計算されすぎではってくらい狙いが強い。一方で内容はというとストーカーが昂じて一線を越えたただのやばいやつの話だった。

『羅生門』の京マチ子の魔力にぶち抜かれた経験を持ってしまった身としては本作の袈裟のキャラはちょっと物足りない。その一方で山形勲演じるその夫・渡辺渡の聖人君子ぶりに痺れた（後に水戸黄門とかですっかり悪役イメージが定着する人であるが）。