ポンコツ娘萌え萌え同盟

番場の忠太郎のポンコツ娘萌え萌え同盟のレビュー・感想・評価

番場の忠太郎(1955年製作の映画)
3.6
稲垣浩版も加藤泰版も観た。でも中川信夫版(本作)は初鑑賞。
何回も映画化された長谷川伸の『瞼の母』は基本的に母と子の物語だが、本作は道中的な要素を強めたり一層番場の忠太郎という人間に焦点を当てた作品だと思った。
まさかのおぬいがヒロイン部分があったり何よりおはまが終盤まで出てこないのがそう。ただそれでも『瞼の母』らしく忠太郎の母への想いはところどころある。
ただ『瞼』の描き方に関しては加藤泰版と、結末は違うも稲垣浩版の方が説得力ある気がするので、そこは残念。

映像自体は見応えがあった。
若山富三郎の殺陣はもちろんかっこいい。
カメラワークが良くできていたのだが本作の一部殺陣の場面の長回しが見応えがある。特に半次の家のところでの空間的を覗いてる感じが強く出ている。
そういえば稲垣浩版(『番場の忠太郎 瞼の母』)ではお登世だった山田五十鈴が本作ではお浜だったのも考えてみれば感慨深いが、お浜の表情とかもよく演じられている。