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惑星ソラリスのtamagoのレビュー・感想・評価

惑星ソラリス(1972年製作の映画)
4.0
惑星ソラリスの海は、調査に向かった人間に信じられないような光景を見せつけたが、帰還した調査員の妄想か現実かで論争が決着しないまま。そこでソラリス調査を再開するためにクリスが派遣されるが、クリスの元同僚は自殺した後で、残された乗組員二人も様子がおかしい。しかも、そこには、居るはずのない人間がいるようで、一体何が起こっているのか…
真相を探ろうとするものの状況が把握できないまま、ある日クリスが目覚めると横には数年前に自殺したはずの妻が眠っていた…

冒頭のソラリスから帰還した乗組員の回想シーンと現在を行き来するシークエンスで、完全に寝落ち。別の日に再トライするもまた寝落ちを繰り返して巻き戻ししつつ、なんとか寝ない、というか、寝れないストーリー展開まで行き着くことができました。
そこからは、怒涛の(といっても、演出としてはめっちゃゆったりとはしてますが…)展開で、先が予想できそうで、できない絶妙なさじ加減で話が転がっていきます。
死んだ妻そのものではないが、明らかに妻の人格をまとった、しかも外観(や、おそらく物体としても)が人間そのものの『それ』とどう向き合えばよいのか、クリスは答えのない状況に迷い込んでいきます。
このテーマってまさに『ブレードランナー 』と同じ!
やっぱり、人間とは何か、という昔からあるけど、今もまさに論争が絶えないテーマは古くて新しくて、いつの時代も映画のテーマにはぴったりだと思いました。

ラストに向かって、哀しみなのか、諦めなのか、いや、救いも感じるようななんとも言えない心情になって、得難い映画体験となりました。
ラストの衝撃度も抜群で、オチに向かう映像の途中でオチに気付いて、その通りだった時の快感と驚きは凄まじいものがありました。
冒頭に眠気を感じたり、つまらないと思っても、ぜひ我慢して最後まで鑑賞されることを強くおすすめします。
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