青二歳

十三の眼の青二歳のネタバレレビュー・内容・結末

十三の眼(1947年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

大映4連作の多羅尾坂内はGHQプロパガンダ映画の位置付けで観る。そうみると2作目にしてオープニングのこなれ感にニヤリ。男女のシルエットダンスですか…
GHQ検閲下、戦後2年にして60分越えでこの出来栄え。47年かぁ…

"歓楽のデパート"というダンスホールのようなカフェがいい。ただ違和感がある点は、米軍人は一切出てこないこと。1947年ならこんなダンスホールアメリカ人だらけだと思うが。まぁ軍人をエキストラに使うわけないし考えたら当たり前なんだけど、不自然が過ぎる。

その他もろもろのご都合主義を含めても、なんとも楽しいエンタメ映画。
多羅尾坂内というミステリアス(でもご親切に変装はバレバレ)かつシリアスな探偵が私たちを銀幕に引き込ませる中、ところどころ能天気で、華やかな洋装をまとった美女たちが笑顔を見せてくれる。アメリカ文化への肯定的なイメージも触発させつつ、悪はうち滅ぼされる日本人好みの勧善懲悪。
プロパガンダでありながら復興に励む日本人へ正面切って娯楽を与えてくれています。
青二歳

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