佐藤克巳

長屋紳士録の佐藤克巳のレビュー・感想・評価

長屋紳士録(1947年製作の映画)
5.0
終始笑いっ放しのおかしみが、実父小沢栄太郎が息子青木放屁を引き取りに来てからの涙涙の感動は、名匠小津安二郎監督を以てしての人情喜劇映画の極地に達した傑作。占い師笠智衆が九段から連れて来た孤児を、長屋住人河村黎吉、坂本武は飯田蝶子に籤引きで押し付け、飯田は茅ヶ崎まで身元探しも徒労に終わり泊めてやった。早速おねしょ、干柿、籤引きで顰めっ面、再びおねしょで孤児は逃走。心配になり瓦礫が残る街を捜し食事の支度もし諦めた時、再び笠が孤児を発見、我が子として育てる情が芽生えた。ある日子に新品帽子・服を着せて、吉川満子も連れ立って動物園、写真館と巡り帰り着いた所に尋人。焼け野原からやっと衣食住を確保した飯田等庶民は、上野にいる戦災孤児問題に気づく。
佐藤克巳

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