モールス

アトランティック・シティのモールスのレビュー・感想・評価

アトランティック・シティ(1980年製作の映画)
4.5
人生にもう一花咲かせたい元マフィアの老人と人生を掴みたい カジノディーラー見習い女の物語です。舞台はアメリカ東部の週末の遊び場、アトランテイック・シティです。一昔前はマフィア達のファミリータウンでしたが、様相が変わりカジノの街に変貌を遂げようとしてました。この街の描写が非常に的確です。大西洋に面した木製の回廊に オイスター料理、カジノと言うより賭場の雰囲気と正にアトランテイック・シティでした☆ だから、麻薬の売買で金を作るバート・ランカスター演じる老人の哀愁感なんかはスゴく様になってましたよ☆スーザン・サランドン演じる相手女性も、歯車の合わないちぐはぐな人生模様を見せてくれたと思います。
ルイ・マル監督の感性は個人的に好きです。人間の醜いところと優しさを同時に見せてくれるところは見応えありますね。
惨めな人生から抜け出したいから、麻薬を売り、お金にする。そうすると登場人物たちが次々とそのお金を狙ってあらわれるのは欲望の怖さが出てます。特にスーザン・サランドンがバート・ランカスターをバスから降ろすシーンとバート・ランカスターがマフィアに発砲するシーンはルイ・マル監督らしいと言えますね。
スーザン・サランドンがバート・ランカスターの財布から金を盗み、その彼女を潔く静かに送り出す老人の気持ちもシブイ演出でした。
とにかくルイ・マル監督から見たアメリカが本作にあると思います。人間が生きていく姿を見せてくれた作品です。
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