SHIROHITO

セルピコのSHIROHITOのレビュー・感想・評価

セルピコ(1973年製作の映画)
4.0
『Serpico』
グウィネス「こんな朝っぱらから仕事?」
ブラピ「刑事セルピコだよ」
グウィネス「目ヤニがついてるわよセルピコ笑」
(※ 別映画のシーン)
昔これがきっかけで見たのが本作だったので、今でもセルピコって言うとこの2人を思い出すw

【超要約】
汚職に塗れたNY警察とたった一人で闘った刑事フランク・セルピコの実話を元にしたお話。
唐突に搬送中の撃たれたセルピコで始まって、分署の警察官たちは「警官が撃ったのか?」「心当たりは6人いる」とこの主人公が同僚たちに命を狙われていたことを匂わせた所で、話はセルピコの警察学校の卒業式まで遡り真相を語っていきます。

本作は汚職の元凶を見つけ出し成敗するようなものじゃなく、
正義感に燃え理想をもって警察官になったものの、賄賂やみかじめ料の回収など腐敗しきった実態に困惑し、裏切り者とされながらも奮闘する男の姿を描く人間ドラマとなっておりやす。

そして他出演作品のマイケル!やトニー!やカリート!みたいに危険と隣り合わせ、綱渡りみたいな追い詰められた雰囲気のアルパチーノが堪能できやす!
権力を笠に着て私腹を肥やす者たちに裏切り者として脅されどんどん針の筵状態、そんなアルパチーノが不謹慎ながら良いw。恋人にも逃げられて一向に良い方向に転じない不憫さが良い(パチーノの演技がね)
脅されたり、部署をたらい回しにされたり、女に逃げられたり、どれもこれも最高にカッコいいんだぜ!!

正義だ悪だなんて難しいことはか弱い俺にゃ論ずる資格もないけど、
周りに迎合せずに自分の主義を通すことの難しさと、警察という正義の象徴が悪に染まっているって恐ろしさが、実話ということもあってとても響いてくる映画だと思う。

そして周りに流されるってことのくだらなさについてよく考える自分には、セルピコの頑固さはとてもカッコ良く映る。巷で乱用されてていつも乱暴な言葉だなと思う言葉の一つに「ノリ悪ーい!」がある。相手を追い詰める便利な言葉だけど、これを言われるといつも心の中で思う。「お前のノせ方が下手なんだろ」と。

冒頭で触れた通り、正義の代名詞?として使われるくらいの男のセルピコの生き様を未見の方は、とくとご覧あれい!


【おまけ】
ブレアと訓練で知り合って、後々昇進していった彼と逼迫したセルピコが協力して悪しき体制に挑む所は、某シリーズのギバちゃんと織田裕二のモデル?

同じルメットの警察汚職もので『プリンスオブシティ』ってのが随分昔から観たいんだけど、日本じゃVHSのみ…なんでやねん!
SHIROHITO

SHIROHITO