イチロヲ

ヤング・ゼネレーションのイチロヲのレビュー・感想・評価

ヤング・ゼネレーション(1979年製作の映画)
4.0
石切工の息子という劣等感を抱えている無職の青年たちが、高圧的な態度で軽蔑してくる大学生たちを相手取り、500マイル自転車レースで勝負する。石工事業の町、インディアナ州ブルーミントンを舞台にしている、青春ヒューマン・ドラマ。

物語の舞台となる町は、アメリカ屈指の石材の産地。だが、インディアナ大学が開校すると同時に移住者が増加。昔から定住していたカッターズ(石工事業の関係者)が、奇異な視線を向けられる立場になってしまう。

本作の主人公は、自転車の趣味をもち、イタリアかぶれになることにより、理想的なファミリー像を脳内妄想で補っている人物。一方、主人公の父親は「石工としての尊厳」が、息子に伝わらないことを嘆いている立ち位置。

人生の先輩格が棹さすのではなく、自らの失敗の経験によって、「気づき」を与えることが大切だということ。いわば、万国共通の通過儀礼を語っているドラマであり、「自分の歩むべき道を模索する系統」の金字塔といえる。
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