僕にとって「ポセイドン・アドベンチャー」は、長い間音だけで知っている映画でした。72年公開のこの超大作が、初めてテレビ放送された時、まだ小学生だった僕は楽しみにしていたにも関わらず、当日に風邪をひき高熱でダウン。 それでも譫言のように観たい観たいと繰り返す息子を見兼ねたか、父が当時買って来たばかりのカセットテープレコーダーで、テレビの音声を録音してくれたのでした。ライン入力なんて無かった時代ですから、家族の食事の音や会話がテレビの音に混じって入っているカセットテープをいったい何度聞いたことか。クライマックスでは音声だけの映画で涙を流しました。そして今、僕の手元にあるのはカセットテープでは無くDVDのパッケージ。迫力満点の映像を観ながら心置きなく涙を流す事ができます。
