荻昌弘の映画評論

花嫁の父の荻昌弘の映画評論のネタバレレビュー・内容・結末

花嫁の父(1950年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

 MGMの「花嫁の父」は、一旦オクラになると伝えられていたが、嬉しいかな、いよいよ公開が決定した。色彩豪華作品も結構だが、そういつもビフテキばかりは食えるものではなし、タマにはこういう塩鮭でお茶漬けという家庭映画もヨキものであろう。
 物語は実に簡単で、エリザベス・テイラアがドン・テイラアと恋をし、両家の承認を得て婚約、ついに結婚式をあげるまでのこと。それを、エリザベスの父スペンサア・トレイシイの眼から描いた処がミソで、この親父サンが相手の男を気に病んだり、結婚とはこんなに金のかかるものかとクヤんだり、いずこも変らぬ人情のキビが、実に温かく和やかに出ている。
 若い諸君にとっては未婚、既婚をとわず身につまされることうけ合いのたのしさだし、御両親にとってはいい家庭教育。恋人のある方はお二人で、ない方はママでも引っぱり出して、さあ、行ってらっしゃい。
『映画ストーリー 1(5)』