タクマ

お父さんのバックドロップのタクマのレビュー・感想・評価

お父さんのバックドロップ(2004年製作の映画)
3.7
見たで。
プロレス大好きな家族の影響を受けて大人になった今は映画と同格くらいプロレスが大好きな私です。本作の題材はプロレスとプロレスとは相性抜群の哀愁、そして親子愛。
妻を亡くしてから神木隆之介演じる息子に距離を置かれてしまっている宇梶剛士さん演じるプロレスラーの主人公。団体の為に自ら嫌なヒールを演じることでますます息子に嫌われてしまう。「父ちゃんの仕事はみんなが嫌がる便所掃除を自分からやる事や」って息子に必死で言い聞かせるお父ちゃんの哀愁よ…子供との関係は良くならない中で終盤のある試合の中でお父ちゃんは必殺技のバックドロップにかけて息子に対してビックな愛を示せるのか。
正直映画自体になにか大きな波があるわけではない。話としては分かりやすくベタベタな物だ。だがそれが良い。だからこそ良い。私はギリギリ平成生まれと言う世代やけど話の舞台になった昭和の時代の大阪の町並みは凄くエモく感じたしそこで描かれる子供間の友情やプロレスを通じて描く頑張る父ちゃんと子供の親子愛にカタルシスを感じた。下手な小細工なしですべての人の中にある昔はこういう事もあったなあと思わせる心情風景の刺激がこの映画の肝なのだ。
父親の威信にかけて大きな戦いに挑む主人公とそれを見て沸く観客の構図に映画における大団円ってこうして生まれるんか。やっぱりプロレスと映画は似とるなあって思う一本やった。
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