ゆみモン

盲獣のゆみモンのネタバレレビュー・内容・結末

盲獣(1969年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

「野火」の船越英二を観たばかりだったので、同じ船越英二が主役でその演技の振り幅の広さに驚いた。
生まれつき盲目で、母親は不憫な息子のために、愛情。注ぎ全てを叶えてやってきた。男は触覚芸術を極めるために、マッサージとして触れた女の身体を彫刻作品に作っている。
女たちの身体の部位の彫刻が壁一面に広がるアトリエセットの再現は圧巻だ。

そして、男はついに理想の肌触りをもつ女と出会い、彼女を自分のアトリエに監禁してモデルにする。
それに母親が全面協力しているあたりから、もう狂気的だ。

初めは抵抗して何とか逃げ出そうとしていた女だが、いつしかモデルになり男と愛し合うようになる。
ついに、女も盲目となり、お互いを傷つけ血を吸い合うことに陶酔する。最後は、女が自分の腕や脚を切り落とすことを男に命じ、実行した男は自らを刺し、二人は命尽きる。

原作は読んでいないが、江戸川乱歩のエロティックホラーの世界観なのだろうな~と実感できた。
船越英二と緑魔子の演技に惹き込まれる。緑魔子が美しい。