ザラついたモノクロームの映像。
写真集みたい。
フランス映画だなぁと思わせる男と女のお洒落な前半。そして後半のホラーチックな展開。ギャップに魅せられました。
写真家フランソワと、女優であり被写体のキャロルとの愛。不倫です。際どいベッドシーンなどなくても、濃厚な愛は表現できるんだという見本のようなセンスのいい撮り方。
ふわっと相手の懐に入り込み、心を鷲づかみにし、去って行く男フランソワ(ルイ・ガレル)。
そして女(ローラ・スメット)は彼への恋に狂ってしまう。
男は次に別の女性と恋に落ちるが、責任まで負いたくはないのだった。
鏡に映る恐ろしい幻影は、自分自身を投影した姿なのかな。幻影を罪悪感の表れだって言った友人の言葉が当たっているのかも。
結局は現実を受け入れて生きていくことができないフランソワだった…。
孤独も怖い、責任を負うのも怖い。
アーティストの宿命なのかな。ただのクズと感じさせないルイ・ガレルのスタイリッシュさ。
ローラ・スメットはそんなに美人ではないから、よけい堕ちていく姿が印象深く映った。
邦題がgood!