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愛の残像のBaadのレビュー・感想・評価

愛の残像(2008年製作の映画)
4.0
『ゼロ時間の謎』に出演していたローラ・スメットがあまりにもプロポーションがよく魅力的だったので、それを目的に見ました。

でも、この映画では魅力的な曲線は封印気味、すこしふっくらしたかな、という感じすらしました。とはいえ、女優としての存在感は重量級。「運命の女」を演じきっていて少し驚きました。

流されるままに恋に落ち、そこから抜けられなくなっていく青年をルイ・ガレルが演じているのですが、映画の撮り方が昔風なのに、語られている内容には鮮烈に今を感じます。とくにフランソワと婚約者の女性の線の細さはいかにも今の若者。幽霊が見えるものとして意識されるという感覚も今風で、この辺は万国共通かな、と思いました。

親の世代がレジスタンスだったり、登場人物はたいてい芸術家だったりとか、狭い世界の出来事を描いているのですが、若い世代の生き方や内面を正面からとらえようとする愚直さは素晴らしいと思います。

気がつけば、ローラ・スメットの母のナタリー・バイが出演したトリュフォーの『緑色の部屋』と似たモチーフの映画ですが、監督と女優の資質が違うとこうも違って来るのですね。

(ローラ・スメットの存在感 2012/12/18記)
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