Moeka

愛の残像のMoekaのレビュー・感想・評価

愛の残像(2008年製作の映画)
3.7
どの登場人物も心ここにあらずといった感じだろうか、引きのショットの時の語りはどれも頭の中で響いている声のようで、終始夢を見ているような違和感があった。ずっと扉の中に入っていた男の最後は窓が半開き。終焉に近づくにつれ霊界と現実が混同し一体化していく恐怖と不思議な力強さがある。恋愛物語と並行して時々語られる革命の話、詩的などこかまとまりのない台詞はゴダールを彷彿とさせた。ルイガレルはちょっとクズなんだけど憎めない脆い男がよく似合う。主演の女優さんは微笑むだけで妖しく、奔放さと自身の元々秘めていた狂気によって崩れていく様がぴったりだった。
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