イチロヲ

エリック・ザ・バイキング/バルハラへの航海のイチロヲのレビュー・感想・評価

3.5
仲間の蛮行に辟易している心優しい海賊の青年が、死後の世界へと罪滅ぼしの旅に出る。「モンティ・パイソン」のテリー・ジョーンズが監督を務めている、ファンタジー・アドベンチャー。

主人公は憎しみのない平和な日常を実現させるために神の世界へと赴こうとする。しかし、戦争特需が必要な人間もいるため、妨害工作が後を絶たない。曖昧模糊としたシニカルな不条理劇という点では、パイソンズの精神を引き継いでいる。

また本作では、主人公と敵対する横暴な領主(ジョン・クリーズ)の配下役で、日本人コメディアンの関根勤が出演。日本語のアドリブ演技で異様な存在感をアピールしているが、残念なことにジョン・クリーズと肩を並べるカットは登場しない。

物語内容は、良くも悪くも形骸化された冒険ファンタジーという印象。たいして面白くもないネタの間延び感が半端ないけれども、さりとて見どころがないわけでもない。とりわけ、中盤部に登場するユートピア王国のシークエンスが印象に残る。
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