efn

鳥のefnのレビュー・感想・評価

(1963年製作の映画)
3.8
 ヒッチコックがこんなスピルバーグっぽい映画を撮ってたんだ、という驚きがあった。基本は対象喪失とアダルトチルドレンの表象化だけど、会話の反復とかねちっこさが未知との遭遇とか宇宙戦争のやり口にそっくり。いや、こっちの方が先ではあるが
 サイコの次ということもあってカッティングもすごい。鳥と人の切返しといった単純に見えるものも微妙にタイミングをずらしてある。ガソリンスタンドが爆発するシーンでチッピーの視線/アングルが三回であらぬ方向に飛んでいくのも強烈だった。
 ジャングルジムにとまった鳥の大群とかガソリンスタンドのロングショットの長回しとかパニック映画らしからぬショットも不気味な雰囲気を醸成していてよい。
 ただ長すぎる。仄めかすために二部構成にしているのもおかしいし、それぞれに一時間を割り振って合計の上映時間が二時間なのも歪。
 あと湖を行く虚言女の図は好きだけど、別な映画でやってほしかった。レベッカのリメイクは考えてなかったのかな。
efn

efn