たにたに

鳥のたにたにのネタバレレビュー・内容・結末

(1963年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

【鳥籠】2023年77本目

この世の終末。
無数の鳥達が人間を襲い始め、ラストに訪れる地球の荒廃した姿が悍ましくこの世の終わりを映し出す。
主人公のメラニーとミッチの恋愛物語にロマンスなどなく、ただただ鳥達による徐々に迫り来る恐怖が彼女達を襲う。

「鳥が人間など襲うはずがない。」
訪れたレストランで老婦人が主人公達に語りかける。その直後大量の鳥達が襲いかかってきて、ガソリンスタンドは炎に包まれ、混乱した人間達を鳥達は高みの見物をするのだ。

メラニーはミッチの実家に逃げ込み、壁を突き破ってくる鳥たちから身を守るために木材などで扉や窓を固めていく。檻に閉じ込められた人間は、まるで鳥籠に入れられた鳥そのものだ。

鳥達によって自由を奪われる人間。
信じられないことが起きる恐怖。

子供達を襲う大量のカラスの演出も見事でした。カラスは危害を与えてくる怖いイメージがありますね。目を合わせてはいけないと。
大人でもあんなに大量にいるとビビリます。


少し意地っ張りなメラニーに対する我々の違和感は、中盤から悲哀の感情へと変わります。
ミッチに未練が残る女性の存在や、嫉妬深いミッチの母親の存在。
ラブバードというまた人間の身勝手な"愛の象徴化"。

様々な異質な愛の姿を見せつけられ、鳥達は堪忍袋の尾が切れたのでしょうか。
たにたに

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