HAYATO

鳥のHAYATOのレビュー・感想・評価

(1963年製作の映画)
3.7
2023年423本目
巨匠アルフレッド・ヒッチコック監督作
凶暴化した鳥の大群に突然襲われる人々を描いたアニマルパニック映画の原点
人間にとって身近でありふれた存在である「鳥」が、とてつもなく恐ろしく感じる作品であり、人間を襲撃する理由が最後まで不明であるのが余計に怖い。
ジャングルジムに大量のカラスがとまったシーンがとても印象に残る。
冒頭では「鳥」が「人間」によってカゴの中で飼われている様子を映し、中盤から後半にかけては「人間」が「鳥」によって狭小な空間に追い込まれる様子を映すことで、「人間」と「鳥」の立場が完全に逆転してしまったことがより伝わってくる。
60年代の作品だから鳥が作り物だと完全にわかってしまうシーンがいくつかあるにせよ、見せ方次第でこれほど人に恐怖を植え付けることができるのかと驚かされた。
本作は音楽を全く用いていないところは特筆すべき点で、鳥の鳴き声や羽音等の効果音が上手く利用されている。
ヒッチコック自身は大の鳥嫌いだけど、鳥料理は好物だったというエピソードが好き。
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