桃子

鳥の桃子のレビュー・感想・評価

(1963年製作の映画)
4.8
「元祖動物パニック映画」

映画を見終わったあと、★マークをつけて、本文には「記録」と書いて終了。これができたらどんなに楽かと思う。これをやらないのは、私の意地みたいなものである(笑)。というか、後から自分で自分のレビューを読み返すと、かなり面白かったりするので。書いたことも忘れるが、映画を見たことを忘れていることもある。
「グランド・ジャーニー」のレビューを書いた時、鳥類学者の老婦人の台詞を紹介したのは、もうてっきり「鳥」のレビューを書いていたと錯覚したからである。自分のレビュー一覧を見て驚いた。まだ書いてなかった…
気を取り直して。原作者は「レベッカ」のダフネ・デュ・モーリエである。むろん未読なのだけれど、原作はもっと幻想的な感じなのではないかなと想像する。
映画の方は再見なのだが、当然のことながら細かい部分までは覚えていなかった。カメオ出演する監督が可愛い!2匹のテリア犬を散歩させている。逆にカメオ出演していない作品ってあるかなと思って調べたけれど、よくわからなかった。サイレント時代の作品にもしっかりカメオ出演しているようである。
この映画の怖さは、なぜ鳥たちが人間を襲うのか、その理由が明かされないこと、これに尽きる。自然の世界に住む鳥が人間を襲う時は必ず理由がある。よくカラスが襲ってくるのは、子育て中で自分の巣を守ろうとしていうからだと聞いたことがある。もし、映画の中で鳥が襲ってくる原因がわかったら、これほどの不気味さは感じないと思う。脚本家と監督は「町の人々は口外出来ない罪を町ぐるみで隠していて、鳥は罰を与えるためのツールである」という設定で映画製作を進めていたという。なるほどと思ったが、見ている私には全くわからなかった。演出が成功しているのだと思う。
不気味な怖さに美しい花を添えているのが、ヒロインのメラニーを演じているティッピ・ヘドレンである。金髪美人。相変わらず、ヒッチコック好みの女優の典型のような女優さんだ。彼女は現在90歳で御存命である。
桃子

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