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デビルズ・ゾーンのhorahukiのレビュー・感想・評価

デビルズ・ゾーン(1978年製作の映画)
3.8
水と視線と静寂

立ち寄ったガソスタはマネキンの巣窟だった!『悪魔のいけにえ』のハートフル一家をマネキンに置き換えたような作品で、ケタケタ笑いまくる気持ち悪いマネキンたちだけじゃなく、レザーフェイスのような人皮?を被ったオッサンにも追っかけ回されるサイコ+サイキックホラー。

70年代人形ホラー繋がりでコチラも!『マジック』と同年製作とかどんだけ人形ホラー人気だったんだろ😂そういえば『チャイルドプレイ』の元ネタとして有名な『恐怖と戦慄の美女』も70年代だし、70年代の人形ホラーってもしかして熱い?ちなみに監督のデヴィッドシュモーラーはのちに『パペットマスター』も監督する人形ホラー界のレジェンド!しかも編集テッドニコラウとか🤣

本作は数多ある人形ホラーの中でもかなりユニーク!原題『Tourist Trap』の通り、家の中に入り込んだ旅行者を超能力で部屋に強引に閉じ込め、全方位に配置されたマネキンたちによる容赦ない投擲を浴びせて仕留めるという極悪トラップ!その間中マネキンたちによる騒がしい笑いが巻き起こり、トドメのパイプがブッ刺さった途端に無音に→管の中を通る血がポタポタと垂れる音のみの静けさで死を実感させるのが堪んない!

わかりやすいゴアはないながらも、この静寂によって死を意識させるのが婉曲的に残虐性を際立たせていて、他にも拘束した女性の顔に熱々の石膏を塗りながら目、口と少しずつ外部との接触器官を絶っていき、トドメの鼻塞ぎ→異様なジタバタ→静寂の流れがゾクゾクする!そして生者としか思えないマネキンたちの視線を利用することで、殺害行為を性行為としか思えないほどに病的に際立たせているのが狂いまくってて凄い!

ホラー映画あるあるな女子たちによる無駄なお色気水遊び(ポロリ無し😱)もしっかり実装。そこでタイミング良く現れるマネキン館の主人との高低差のあるやり取りは地味に上手くて、その位置関係もそうだけど水によって彼女たちが既に監禁状態にあることを意識させ、更には蛇によって安置なしまで予兆させてる。水は印象的に3度登場し、2度目は逃げるキャラの足を掬い、3度目に沈めるという象徴的な装置になってる。

というか、誰もいない辺鄙なド田舎にポツンとあるガソスタに来てみたら誰もいない→家の中に入ってみたら無人で、家中マネキンだらけとか逃げる一択しかないと思うけど、それでも必死に誰かを探そうとする熱意に感服!心臓が鋼なのかな😂
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